第弐号 『団地妻 昼下りの悶え』


山田とゐち29歳、電話で「お願いします」と言う時、ついお辞儀してしまう礼儀正しき好青年(ナイス害)です。

小生、理解不能な行動をする「おばちゃん」という生物に非常に関心を抱いています。

3人のおばちゃんが喫茶店のレジ前で…
「イイワヨ〜今日はアタシが出すから」 2000円を「バンッ!」とレジ前に置くダミ声のA子
「アラァダメよ、アタシが出すの」 そのお金を取り、A子に戻す力士声のB子
「イエ今日は私の番ですから」 その隙に5000円札を出すエセ気品漂うC子
「アラ悪いわよ〜」「イエイエわたしが」「ちょっともう!!」「ホラ、良いから」「いいからいいから!!」

『…おいおい俺は後ろで会計待ってんだよ、早く帰ってビューティコロシアム観たいんだよ!!』
と心中で雄叫びをあげる小生など3人の視界には当然入っていません。
ええ、小生は小心者なので心中でしか怒れないのです。

3分間の闘いの後、代金はA子が払う事に、彼女が皆の中で一歩リードしたワケだ。
いや、実は誰かに払わせる心理戦をしていたのかもしれない、その可能性が高いな。

ならばA子は逆に敗北者か?

B子C子は「嫌ァネェ悪イワネェ」と心にも無い事をA子に言いつつ店の入口付近でまだ何やら大声でおばちゃん独特の音波を発していた。
『クソ出られねぇじゃねぇか!』
という怒りを押し殺し「すみません」と笑顔で3人の間を抜け、外へ出たのでした。

その後、駅で自宅へ向かう電車を待つ小生の傍に、先程のB子C子と別れたと思われるA子が一人やってきた。
『同じ電車かよ!』

電車が到着しA子は扉が開くや否や皆を押しのけ光のように飛び乗り、そして着席。
『早い…何故あんな動きができるのか、人間ブロードバンドとはまさに君の事だ。IT技術もココまで進歩したか!君の速度はYahoo!BBを遥かに超える。(実効速度:92Mbps/NTT調べ)だが俺を押しのけどっかり座りおって、先刻の「私が金を払う」というしたたかな君は何処へ?謎だ…やはり自分が払わない為の戦略に失敗しただけだな』

小生が電車を降りるとA子も降りた。
『まさか俺を尾行してるか?アムウェイの勧誘でもする気だな?その手には乗らんぞ!』
しかし単なる偶然だった…
小生の妄想と裏腹に、A子は駅前の西友に入ったのだ。
今晩の夕食は先程の払いのせいで質素になるだろう。

頑張れ!明日の君は美しい。(当社比)



【追記】

何故おばちゃんは、ああいうレジ前や切符売場等で良い所を見せたがるのか?
それが子供の頃からの小生の疑問でした。
どっちでも良いじゃねぇか、早く払えよ。っていつも思ってました。
小生なんか「今日は出すよ」って言われたら、どんなに偉い人でも「ありがとうございます」でおごってもらっちゃうけどなぁ。
自分が「おごるよ」って言う時は大体年下の子と食事した時とかだなー。
先輩風っていうか兄貴風吹かせたいタイプだからね。ぷぷぷ
金のない時はそそくさとレジで「別々にお願いします」って言っちゃうね。
あと、電車に乗る時のおばちゃんの速度は本当に光ファイバーな世界だよね。
7人掛けの座席に既に7人座ってるんだけども、たまたまその座席には体の細い人ばかりが座っていたせいで中途半端な隙間が出来てる時がある。
そんな中途半端な隙間に強引にでかい尻をグリグリさせて座ろうとする。
何か半立ち状態で、でかい尻の5分の1程度腰かけて「立ってる方が楽なんじゃないか?」って感じで座ってる姿をよく目にする。
よくおじさんやおばさんが若い子は股を広げて座ってるから座れないなんて言うけども、おばちゃんだって買い物袋横に置いてたりするじゃん。
おっさんだって太ももが太いせいで1.5人分位になってるやん。
電車ネタは後日改めてネタにしようと思ってるけどね。(気がむいたら)
とにかく人の事は言えないのだ。
勿論おばちゃんおじさんだってしっかりしてる人はいるけどね。


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